Vol.6 小倉百人一首と中原中也「月夜の浜辺」


 む、す、め、ふ、さ、ほ、せ。
 年明けから「今日の記憶」などと題して、小倉百人一首を覚えている。何かの役に立てようということではなく、平安時代の美しい言葉を自らの教養として、覚えておきたいと思っただけだ。
 今現在、50首以上を諳んじることができるようになった。
 

 ところで、話題が少し逸れるけれど、中原中也の詩に「月夜の浜辺」がある。僕が大好きな作品だ。

  月夜の晩に、ボタンが一つ
  波打際に、落ちていた。
  それを拾って、役立てようと
  僕は思ったわけでもないが
  なぜだかそれを捨てるに忍びず
  僕はそれを、袂に入れた。

 詩の中に出てくるボタンのようなものを僕は大事にしたい。

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