Vol.230 『パウロとテクラの行伝』と『ペテロ行伝』を読んで


 ブログ「Stay The Young (Trilogy)」をお読みいただき、ありがとうございます。

 24日の午後に『パウロとテクラの行伝』と『ペテロ行伝』を読んだ。使用したテキストは日本聖書学研究所編『聖書外典偽典7』新約外典Ⅱ(教文館)である。
 はじめに『パウロとテクラの行伝』について。
 翻訳者の概説には、次のように記されていた(本書93ページ)。

 ふつう、「パウロ行伝」と呼ばれるものが、「パウロとテクラの行伝」、「パウロとコリント人との往復書簡」(いわゆる「コリント人への第三の手紙」を主要部分としている)、および「パウロの殉教」、そしてさらにそれ以外のパウロの行動についての記録をも含むもの(後略)。

 ということで、ここでは『パウロ行伝』ではなく、『パウロとテクラの行伝』と表記する。
 

 「パウロよりもむしろテクラのほうに中心が置かれている(本書96ページ)」とあり、僕としては、『パウロとテクラの行伝』に目を通して、特段、これと言った感想はない。「パウロとコリント人との往復書簡」については、別の機会に取り上げる予定。
 次に『ペテロ行伝』について。
 翻訳者の概説には、次のように記されていた(本書18~19ページ)。

 本書全体の重要な主題は、シモンとの戦いである。これを軸として、そこにほかのエピソードや殉教などが結びついている。

 パウロ、シモン、ペテロ、マルケルスの順に登場する。ペテロが死人を甦えらせ、多くの病人を癒す。三二章でシモンが死ぬ。四〇章でペテロが死ぬ。僕が最も興味深く読んだのは下の写真にある三八章で、ペテロが十字架にかけられた場面でした(本書85~86ページ)。
 


 人の死に方というものは千差万別であり、人の力ではどうにもならない。
 日本聖書学研究所編『聖書外典偽典7』新約外典Ⅱ(教文館)には、目次順に『ペテロ行伝』、『パウロとテクラの行伝』、『ヨハネ行伝』、『アンデレ行伝』、『トマス行伝』が翻訳されているが、『アンデレ行伝』はブルトマンの論文にほとんど引用されていないことから、割愛した。
 文末になったけれども、翻訳者の皆様へ感謝の言葉を記しておきたい。

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