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どうしてこんなことになってしまったのだろう。
昨年の夏、長谷川公茂先生が亡くなられてしまったことから、円空学会は円空仏の真贋について、正しい鑑定をできる人がいなくなってしまった。
現に今も円空仏の真作(本物)と贋作(ニセ物)の判定を間違えるといった過ちを犯している。
下の写真は円空学会が発行する「円空学会だより」の誌面で、上が第206号、下が最新の第211号の誌面である。
第211号の誌面を読むと、「近年模刻や贋作は、大変精緻になってきており」とあり、写真①②③不動明王像について、「二〇六号に新発見として報告がありましたが、異論が出ましたので、再掲載します」と記されている。
「再掲載します」とあるが、第206号の誌面に掲載された写真の不動明王像と、第211号の誌面に掲載された写真の不動明王像は「大変精緻」どころか、そもそも2つの像はまったく別の物であると、写真を一目見ただけでわかる。
第211号の誌面に掲載された写真の不動明王像は、第206号の誌面に掲載された写真の不動明王像を目にした誰かが模作した贋作である。
円空学会はこれまで長谷川公茂先生が30数年間、理事長を務められた。しかし、長谷川先生が亡くなられた今となっては、円空学会の誰一人として、本物を見抜くことができず、地に堕ちてしまった。
第211号の誌面には「判断に迷う像も少なからずあります」と記されているが、長谷川公茂先生の円空仏鑑定に何度も随伴させていただいた際、長谷川先生はいつも一瞬で判定されて、迷うようなことは微塵もなかった。
以下は余談。
第211号の誌面に掲載された写真④⑤の阿弥陀如来像についても、「極初期像として紹介されましたが、疑問が呈せられた」と記されているけれど、単に誌面を読んだだけでは、一体どんな疑問なのかを具体的に提示していないことから、説明不足で、真意がさっぱりわからず、片手落ちである。
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