vol.1561 長谷川公茂先生の円空仏鑑定


 ブログ「Stay The Young (Trilogy)」をお読みいただき、ありがとうございます。

 少し前の更新(vol.1558)で、円空仏の真贋判定の話題を取り上げた際、「長谷川公茂先生の円空仏鑑定に何度も随伴させていただいた際、長谷川先生はいつも一瞬で判定されて、迷うようなことは微塵もなかった」と書きました。
 下の写真は1982(昭和57)年6月20日の朝日新聞の記事の切り抜きで、「本物の円空仏かどうか一目でピンときます」と、当時の長谷川先生の声を紹介しています。
 

 しかるに今は円空学会においても、円空仏の真作(本物)と贋作(ニセ物)の判定を間違えるといった過ちを犯しており、残念なことに長谷川先生以上の円空仏鑑定眼の持ち主はいないことから、今後は贋作(ニセ物)が大いに出回ることであろう。
 実際のところ、贋作(ニセ物)が真作(本物)として町の文化財に指定されてしまっている。
 下の写真は福井新聞の記事と僕宛ての手紙で、長谷川先生が生前、「円空仏ではありません。高山市在住の故・三輪年朗さんが彫った像です」と仰っていたにもかかわらず、これが現実である(町指定文化財とは、かくも出鱈目なものだと知り、大変勉強になりました)。
 

 昨年(2023年)5月、福井県池田町教育委員会と福井新聞社(永善菜々帆記者)に対して、長谷川先生に代わり、僕が「円空仏ではない」とお伝えしたところ、どちらもけんもほろろといった対応で、今現在においても贋作(ニセ物)が真作(本物)になってしまっている。
 極端な書き方をすれば、今後発見される円空仏はすべて贋作(ニセ物)であると言っても、過言ではないかもとさえ感じています。
 以上は長谷川先生の名誉のためにも大事なことであるから、ここにこうして書き残しておけば、いつかは真っ当な誰かの目に触れて、事の真相を明らかにしてくれるであろう。

 以下は余談。
 ジャーナリストの池上彰氏が東洋経済オンラインにて、「新聞の存在意義の1つは、この『取材』にあります。長い時間と手間のかかる取材をする記者がいるからこそ、記事が出来上がるのです」と書いていますが、少なくても福井新聞社の記者はそうではない(長い時間と手間のかかる取材をしていない)ことを知りました。また、今回の場合に限っては、池上氏の主張が間違っていることにも気が付きました。

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