vol.384 長谷川先生と楽しいモーニングとランチ


 ブログ「Stay The Young (Trilogy)」をお読みいただき、ありがとうございます。

 少し前の更新(vol.377、vol.382)に関連して、長谷川公茂先生が2冊の本(『円空、生母の鎮魂』と 『円空の微笑仏(二)』)を上梓されたことから、レクチャーを受けるということで、昨日は長谷川先生とお会いして、楽しい円空談義で、幸せな時間を過ごしました。
 下の写真はご一緒させていただいたモーニングとランチです。
 


 『円空、生母の鎮魂』には、十一面観音像に納められていた鏡と阿弥陀如来像について記されていることから、以下に引用しておきたい。
 
 母の三十三回忌の供養のため観音堂を建て、本尊に十一面観音像を造顕し、背面右乳部あたりに10.3cm×9.8cmの刳り貫を彫り、肌身離さず大切に持っていた母の形見の「鏡」と母の極楽往生を願って自らが彫った5.2cmの阿弥陀如来像や戸隠神社の誓紙、筆、古銭などを納め(以下略)。

 十一面観音像の造顕以来、およそ350年ぶりに初めて胎内納入品を確認した際に立ち会っていた長谷川先生の口から、その瞬間の様子を逐一お聞きしていた僕が実際に円空さんの母親の形見の鏡を手にしたときの感動は言葉では言い表せません。
 少し補足しておくと、円空さんは寛永15年、7歳の時に母親を洪水で亡くしています。
  予母の 命に代る 袈裟なれや 法の形ハ 万代へん (円空歌集 880) 

 以下は余談。
 こんなことは書きたくありませんが、僕個人としては、十一面観音像の胎内納入品を確認するのは反対の立場でした。しかしながら、上記の内容(像の制作時期や鏡が母親の形見であること、母親を洪水で亡くしたことなどについて)を否定する残念な輩がいることで、結果的に胎内を調べるはめに。こんなことはもう書かせないでほしいと切実に願っています。

0 件のコメント:

コメントを投稿