ブログ「Stay The Young (Trilogy)」をお読みいただき、ありがとうございます。
今日の午後は寺田寅彦の「団栗」と「夏目先生の追憶」を再読しました。
「夏目先生の追憶」の中に以下の一文がある。
いろいろな不幸のために心が重くなったときに、先生に会って話をしていると心の重荷がいつのまにか軽くなっていた。不平や煩悶のために心の暗くなった時に先生と相対していると、そういう心の黒雲がきれいに吹き払われ、新しい気分で自分の仕事に全力を注ぐことができた。先生というものの存在そのものが心の糧となり医薬となるのであった。こういう不思議な影響は先生の中のどういうところから流れ出すのであったか、それを分析しうるほどに先生を客観する事は問題であり、またしようとは思わない。
以前に読んだ際、何とも感じなかったけれど、今回読んでいて、心を打たれた。
寺田寅彦の著作では、『柿の種』(岩波文庫)が一番好きで、何度となく読み返しています。
以下は余談。
ちょうど一週間前に中勘助の「漱石先生と私」を読みました。同じ人物のことを書いても、ずいぶん印象が違うことに驚くと同時に、なるほど当然かとも思いました。
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