Vol.236 『フリア・ロギオン』と『十二族長の遺訓』と『ソロモンの詩篇』を読んで


 ブログ「Stay The Young (Trilogy)」をお読みいただき、ありがとうございます。

 はじめに『フリア・ロギオン』について。
  『マルコによる福音書』には、新共同訳では2つの結びがあるけれど、全部で7つもあると、僕は知らなかった。7つの内の1つが「ワシントン写本」であり、フリア・ロギオンとは何かと言えば、翻訳者による概説を引用すると、

 本写本(ワシントン写本)において、(『マルコによる福音書』の)一六章八節のあと、九~一四節が続き、そのあと、一五~二〇節との間に挿入がある。これが「フリア・ロギオン」である(本書35ページ)。

 上に引用した文章で、カッコ内の「(ワシントン写本)」と「(『マルコによる福音書』の)」は僕の補足です。フリア・ロギオンはもちろん『マルコによる福音書』の原文ではなく、注釈である、と僕も思う。
 下の写真が全文で、使用したテキストは日本聖書学研究所編『聖書外典偽典 別巻』補遺Ⅱ(教文館)です。
 

 次に『十二族長の遺訓』について。
 使用したテキストは日本聖書学研究所編『聖書外典偽典5』旧約偽典Ⅲ(教文館)で、先月28日に読んだ。
 

 翻訳者による十二族長の遺訓概説の冒頭には、次のように記されている。

 「十二族長の遺訓」は創世記四九章にある「ヤコブの遺訓」にならって、ヤコブの一二人の息子たちが、その死の床でその子ら(兄弟がはいっているものもある)に語った遺訓である(本書221ページ)。

 また、写本によっては、各々のタイトルに遺言の中心思想が入っているという。

  ルペン遺 思慮について
  シメオン遺 嫉妬について
  レビ遺 祭司職と傲慢について
  ユダ遺 男らしさ、金を愛すること、姦淫について
  イッサカル遺 純真さについて
  ゼブルン遺 憐みと慈悲について
  ダン遺 怒りと嘘言について
  ナフタリ遺 本性の善について
  ガド遺 憎しみについて
  アセル遺 善悪二つの顔について
  ヨセフ遺 貞節について
  ベンヤミン遺 純粋な思いについて
 
 僕が読んでいて、面白く感じたのは、シメオンの第四章、ダンの第二章、アセルの第五章で、一方、最も退屈に感じられたのはユダの遺言(後半部分)でした。
 引き続き、『ソロモンの詩篇』を読んだ。
 『ソロモンの詩篇』はブルトマンが論文において、多数の箇所を引用しているのだが、僕としては、全18篇を読んで、特段、これといった感想はない。
 

 以下は余談。
 今朝は僕の好きな Rainy Monday となっている。

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