Vol.220 『第四エズラ書』を読んで、と義理チョコ


 ブログ「Stay The Young (Trilogy)」をお読みいただき、ありがとうございます。

 『第四エズラ書』を読みました。
 少し長い前置きから始めると、テキストに使用した関根正雄編『旧約聖書外典 下』(講談社文芸文庫)に収録されている『第四エズラ書』は副題に「七つの異象」とあり、第一~一六章の全訳ではなく、第三~一四章が翻訳されていたことから、10日の午後に「第一の異象」(3;1~5;19)を、14日の午後に「第二の異象」から「第七の異象」(5;20~14;48)を読みました。
 巻末に付された翻訳者による解説によれば、「今日ほぼ定説となっている説に従うと、3~14章はユダヤ教黙示文学として紀元一世紀末ごろに編集され、それに対して、反ユダヤ教の立場からまず1~2章の加筆がなされ、最後におそらくはずっと後代に15~16が付加された(中略)。主要部分は『エズラの黙示』とよばれ、七つの異象から成り立っている(後略)」とあった。
 

 ブルトマンが取り上げている『第四エズラ書』の代表的な個所は、4;30~32(「ここには、善きものは悪しきものよりもはるかに力強いものであるという、ユダヤ的な表象が横たわっている。」著作集9巻109ページ) 7;87(第七の道) 7;98(第七の段階)となっている。
 僕が最も印象に残ったのは第4章。
 他には、天使がエズラに「何々してみよ」と語りかけ、エズラが「できません」と答える場面がいくつもあって、そうしたやり取りの具体的内容に奥深さを感じた。たとえば次のような場面。

 (4;5)そこで私は言った。「わが主よ、どうかつづけてお話しください」。すると天使は言った。「さぁ、よいかね。火の重さをはかってみよ。風の分量をはかってみよ。あるいは、すぎ去った日をよびもどしてみよ」。
 (4;6)私は答えた。「地上に住む者の中、だれ一人として答えることができないような問いをどうしてわたしにおききになるのです」。

 (5;36)すると天使は言った。「まだこの世に生まれて来ない者の数をかぞえてみよ。飛び散った雨の滴をあつめてみよ。枯れてしおれた花をもう一度咲かせてみよ。
 (5;39)わたしは愚かな者にすぎません。あなたの問いに答えることなどできるはずはありません」。

 また、解き明かしをしてくれる天使たちの台詞が何だか理屈っぽく聞こえるような箇所がいくつもあった。だからこそ、以下のようなシンプルに語りかける箇所が印象に残った。

 しっかりせよ。恐れるな。今のこの世の悪について無駄な思いわずらいをするな、終りのときにあわてることにならないために。(6;34)

 お前は自分の意志にかかわりなくこの世に生まれ、心ならずも世を去る。お前が生きるために与えられた時はみじかいのだから。(8;5)

 関根正雄編『旧約聖書外典』(講談社文芸文庫)は内容が抜粋なので、2つの書(『エチオピア語エノク書』と『第四エズラ書』)を読破(読了)したとは言い難い。敬虔なキリスト者ならば、きっとそうするだろうと思い、最後に訳者への感謝の言葉を記したい。

 以下は余談。
 昨日はバレンタインデーということで、今年も義理チョコを頂戴しました。
 下の写真がそれで、ありがとうございます、とお礼の言葉を添えておきたい。
 

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