Vol.226 『ペテロ福音書』を読んで


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 以前の更新(Vol.221)で書いたとおり、16日の朝、荒井献編『新約聖書外典』(講談社文芸文庫)に収録されている『ペテロ福音書』を読みました。さらに19日の午前中、日本聖書学研究所編『聖書外典偽典6』新約聖書外典Ⅰ(教文館)に収録されている『ペテロ福音書』に目を通しました。
 同じ『ペテロ福音書』でありながら、2つの大きな違いは翻訳者が別人であること。講談社文芸文庫のそれは田川氏の翻訳で、読みやすい。教文館のそれは小林氏の翻訳で、分かりやすい。どちらが素晴らしい翻訳なのか。僕は専門家でないから、判断できない。ただし、読み比べて感じたことを素直に書けば、こうも違うのかと正直、驚かされた。
 下の2つの写真のうち、上が講談社文芸文庫(田川氏の翻訳)で、下が教文館(小林氏の翻訳)となっており、(画像部分をクリックするとアップの画面が出て来て)読み比べられるようにしておく。
 


 それぞれに付された両者(田川氏と小林氏)の解説文についても、たとえば発見時などの歴史的経緯を除けば、『ペテロ福音書』に対する姿勢や解釈が(当然ながら)異なっている。また、講談社文芸文庫の編者である荒井氏は『ペテロ福音書』はイエスの処刑の場面を補足すると記している。
 『ペテロ福音書』の章と節について、忘れないように書いておくと、第一~一四章(1~60節)という区分(構成)になっている。通常のように章の始まりが1節からではなく、次章に続いている。
 一章は1~2節の計2節で、二章は3~5節の計3節で、三章は6~9節の計4節となっており、四章の冒頭は10節からの計4節で、五章の冒頭は15節からの計6節となっており、六章は計4節で、七章は計3節となっており、八章イコール28~33節で、九章イコール34~37節となっており、そのようにして続き、一四章の最後が60節となっている。
 数字だけの表記にすると、

  章   節
  1   1;1~2
  2   2;3~5
  3   3;6~9
  ~
  13  13;55~57
  14  14;58~60

となっている。
 ブルトマンは『ペテロ福音書』をさほど重要視していない。

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