Vol.66 『ハガイ書』とブルトマン著「預言と成就」(1950年)を読んで


 写真は『ハガイ書』の第二章第四節です。
 

 『ハガイ書』
 第二章
 四 主は言われる、ゼルバベルよ、勇気を出せ。ヨザダクの子、大祭司ヨシュアよ、勇気を出せ。主は言われる。この地のすべての民よ、勇気を出せ。働け。わたしはあなたがたと共にいると、万軍の主は言われる。
 五 これはあなたがたがエジプトから出た時、わたしがあなたがたに、約束した言葉である。わたしの霊が、あなたがたのうちに宿っている。恐れるな。
 六 万軍の主はこう言われる、しばらくして、いま一度、わたしは天と、地と、海と、かわいた地とを震う。
 七 わたしはまた万国民を震う。万国民の財宝は、はいって来て、わたしは栄光をこの家に満たすと、万軍の主は言われる。

 『ハガイ書』の内容はごく短いのだが、それに反比例するようにして、圧倒された。とりわけ、第二章の四節は「勇気を出せ」と、3度も呼びかけているうえに、「働け」ともある。次の五節には、「恐れるな」とある。続けて、六節と七節では「震う」が繰り返される。
 また、六節はブルトマンによれば、『ヘブル人の手紙』第一二章二六節に対する預言と成就の関係にある。

 『ヘブル人の手紙』
 一二章
 二六 あの時には、御声が地を震わせた。しかし今は、約束して言われた、「わたしはもう一度、地ばかりでなく天をも震わそう」。
 二七 この「もう一度」という言葉は、震われないものが残るために、震われるものが、造られたものとして取り除かれることを示している。

 それにしても、面白いなと感じるのは、時間の経過(の順序)が逆ということ。後に書かれた『新約聖書』で成就されることよって、前に書かれた『旧約聖書』が預言となるのだ。『新約聖書』にとっては、『旧約聖書』は救世主が到来するという預言の書として扱われている。
 確かに今現在があるのは、過去があるからだが、僕は過去が今現在に及ぼすことについて、考えさせられた。過去に縛られる必要はない、と。『聖書』とブルトマンの著作は、いろんな事を気付かせ、教えてくれる。

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