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過日、卵型で先端が尖っており、緑色から黄色へと変化している実を目にしたのだが、その正体、つまり木の名前が分からなかった。
今日の午前中、別の場所で、また同じような木を目にしたことから、注意深く観察して、その正体はどうやら桐の木だったらしい。
彫刻の材料に桐の木を用いたことが一度もなかったので、今まで気に掛けたことがなく、恥ずかしいことに全然分からなかったのだ。
手元にある『山渓ハンディ図鑑5 樹に咲く花 合弁花・単子葉・裸子植物』のページをめくったら、桐の木について、植栽用途は庭木とあった。
庭に桐の木が植わっているのを僕は見たことがないけれど、女の子が生まれると庭に桐を植えて、結婚する際、その桐で箪笥を作り、嫁入り道具にするという風習があったとのこと。
とにもかくにも、桐と言えば、箪笥あるいは桐紋しか思い浮かばず、僕の教養の無さを恥じる出来事であった。
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